◆由来◆

「津軽、南部のさしこ着』(編集・発行㈲民俗民具研究所より転載)

江戸時代、津軽の農民たちは麻の着物しか着ることが許されなかった。津軽の厳しく長い冬を少しでも快適にやり過ごすため、保湿と補強のため 、麻布に木綿の糸で刺し子を施すようになり、やがて「津軽こぎん刺し」が生み出された。
縦の織り目に対して一・三・五・七、、、と奇数目を数えて刺す技法で弘前を中心に発展した。

◆歴史上の記録◆

江戸時代に東北各地を旅し、庶民の生活や風俗を丹念に記した菅江真澄の『遊覧記』には、「糠部のあたり(黒石)一帯の山里に住む男女は、しそ、山しそなどというものをかぶり、いろいろに綾をつけて縫った短い衣を着ていた。さしこぎぬというものである」(意訳)という表記が登場する。
また天保八年(1788年)日比野貞彦が、『奥民図彙』という見聞録のなかで、絵入りで記録しました。

◆こぎん刺しの種類と特徴◆

東こぎん

 岩木川を境に、お城のあった弘前市から東側、黒石市、平川市、弘前市石川地区などでつくられた。太めの粗い麻糸で織った布に刺したものが多く、前身頃から後ろ身頃にかけて同じ模様を施したものが多い。

東こぎん

西こぎん

 岩木川をはさんで弘前市の西側、西目屋村、弘前市岩木地区、弘前市相馬地区などの里山エリアでつくられた。苧麻(からむし)の細い糸で織った布に刺されたため、模様が大変緻密。肩の部分には黒糸と白糸で交互に刺した縞があることから「縞こぎん」とも呼ばれている。

西こぎん

三縞こぎん

 岩木川の下流にあたる旧金木町(現五所川原市)を中心に旧車力村・木造町(ともに現つがる市)でつくられたもの。鮮やかな太い三つの縞模様が特徴。現存するものは非常に少なく、大変貴重である。

三縞こぎん

モドコ

 こぎん刺しの基礎模様は「モドコ」と呼ばれ、現在40種類ほど存在します。これらを巧みに組み合わせることで、より大きく美しい幾何学模様が生み出されます。

こぎんのモドコ

  1. 1. カチャラズ
  2. 2. マメコ
  3. 3. ハナコ
  4. 4. イシダタミ
  5. 5. ムスビバナ
  6. 6. 四枚菱
  7. 7. シマダ刺
  8. 8. フクベ
  9. 9. コマクラ刺
  10. 10. ウロコ形(小)
  11. 11. フクベ
  12. 12. 猫の足
  13. 13. 猫のマナグ
  14. 14. テコナ
  15. 15. ヤスコ刺
  16. 16. マメコの四つコゴリ
  17. 17. ウロコ形(大)
  18. 18. クルビカラ
  19. 19. ベコ刺
  20. 20. ウマのクツワ
  21. 21. サヤ形
  22. 22. マメコの連続
  23. 23. 竹の節
  24. 24. 〃